競技かるたの「級」と「段」の違い
「A級選手」という言い方は間違い!?
初心者の方から「C級を取るにはどうしたら良いですか?」といった質問がよくあります。厳密に言えばこの質問は勘違いからきています。
確かに他の習い事では「XX級」と言い方が、習う人の取得する資格やレベルになっている場合もあります。しかし、競技かるたでは「級」は選手のレベルや強さを表すものではありません。
級=大会のレベル、段=選手のレベル
級位(A~G級、A級が最上位)は大会のレベルを表し、段位(初段~十段、十段が最上位)が選手のレベルを表します。
両者の対応は以下のようになります。
レベル | 大会のレベル (級位) |
出場できる選手の レベル(段位) |
---|---|---|
高 | A級 | 四段以上 |
B級 | 二段、三段 | |
C級 | 初段 | |
D級 | 無段(段位なし) | |
E級 | ||
F級 | ||
低 | G級 |
※2020年度以降は新制度へ段階的に移行するため、上記の対応とは異なります。ご注意ください。
よって、「C級」は大会のレベルを表し、人間が「取得する」ものではありません。「C級の大会」という言い方は正しくても、「C級を取る」という言い方は間違いです。言うなら「初段を取る」です。
選手の呼称として付加するのも段位の方です。「綾瀬千早 四段」という言い方をします。
しかし、「C級の大会に出場する資格がある選手」という意味で、「C級選手」、「C級の人」といった言い方をします。また、上位の大会に出られるようになったという意味で「昇級する」とか「C級になる」という言い方もします。 こういった言い方をするため誤解を生んでいるのかもしれません。
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昇段は公認大会の結果で判断
競技かるたには昇段試験というものはありません。段位取得・昇段は公認大会の結果で判断されます。判断基準の詳細は全日本かるた協会のウェブサイト「昇段基準」のページをご覧ください。
D~G級、どの級に出られるかは かるた会の判断
A~C級の大会の出場資格は、上記のように段位と紐づけられています。しかし、D~G級の大会の出場資格は同じ「無段」です。どの級に出場すれば良いのでしょうか。
全日本かるた協会としては、D~G級の大会の出場資格を定めておらず、統一的な基準はありません。D~G級、どの級の大会に出るかは所属している かるた会が判断するのが一般的です。
かるた会に入会し練習を重ねると、普段の練習試合の様子などから、指導者から大会への出場を促されます。その時、初めて出る大会がD~G級のどの大会になるかは かるた会の育成方針によります。
G級大会から始めて、入賞したら次の級に上り、だんだんと昇級していください、というところもあれば、いきなり、誰でもD級の大会に出場してもらうところもあります。
下の級から始めた方が良いか、上の級から始めた方が良いかは一概には言えず、選手の適性によると思います。
下の級から勝っていった方が勝つ感覚を身に着けられます。反面、ステップアップする級の数だけ大会に出場しなくては段位取得に到りません。競技かるたの公認大会はトーナメント戦ですので、勝ち上がるには運も左右します。
上の級からですと、実力があれば少ない大会数で段位取得できます。また、強い相手に当たる可能性があるため上達が促進されるます。一方で、実力がつくまでは一回戦負けの大会が続くことに耐えなくてはなりません。
同じ級に出場する選手でも地域によって差が
一般的に 競技かるたの大会が多い地域は下の方の級から始め、少ない地域は上の方の級から始める傾向があります。そもそも下の級の大会は、地域によっては開催されてないからです。よって、同じD級選手、E級選手と言っても地域やかるた会にによって実力に差があります。
こちらの記事もご参照ください。 karuta.hatenablog.jp karuta.hatenablog.jp