早い取りにつながる決まり字の覚え方
「百人一首を全部覚えた」=「グローブが使えるようになった」
何はともあれ百人一首を全部覚えなければ、競技かるたの入口に立つことはできません。 競技かるたでは、「何首、百人一首を覚えているか」が勝負ではなく「百人一首を100首覚えているのは基本中の基本で、その上でいかに早く取れるか」を競うからです。「百人一首を全部覚えた」は、野球で例えると「グローブが使えるようになった」、「バットが使えるようになった」といったところでしょう。
競技かるたでは歌全体を覚える必要はありません。百人一首は、上の句の初めの言葉の一部だけで、下の句が特定できるからです。この下の句が特定できる上の句の初めの字を「決まり字」と言います。この決まり字さえ覚えてしまえば、札を早く取ることが出来るようになります。
世の中には百人一首や決まり字を覚えるための、書籍、アプリ、ウェブコンテンツがたくさんありますので、ここでは具体的な覚え方は紹介しません。当ブログでも、覚え方の書籍、アプリ、ウェブコンテンツを紹介していますので、この記事の最後のリンクを参照してください。
ここでは百人一首や決まり字を覚える際に初心者にありがちな誤解と、覚え方のポイントを挙げます。
競技かるたは下の句を素早く思い出す競技ではない
「上の句・決まり字が読まれたら下の句を素早く思い出せるかどうかが勝負のポイントだ」と思われている親御さんや初心者の方やがいらっしゃるかもしれません。
しかし、それは間違いです。
実は、競技かるた経験者でも上の句が読まれても下の句が直ぐには思い出せない札があります。しかし、そういった札もちゃんと取れます。それではいったい百人一首の何を覚えいているのでしょうか。
音と取り札の字面を結びつけている
競技かるたは、「聞いて」「取り札を取る」ゲームです。よって、「決まり字の音」と「絵としての取り札」、つまり字面を結びつけて覚えているのです。
例えば、「ちはやふる」の歌は「ちは」が決まり字です。よって「ちは」という音と「ちはやふる」の取り札の字面を結びつけます。上の句・決まり字は「ちは」という文字でとらえるのでありません。下の句は、この旧仮名字体で5行3列に書かれている取り札の文字を視覚的にとらえます。「から紅に水くくるとは」という言葉でもなく、「からくれなゐみつくくるとは」という横書きの文字でもありません。
競技かるた用の音声と取り札を
よって、決まり字の覚え方のコツは、以下の2点です。
- 上の句・決まり字は競技かるた用の読み方で読まれた音声を聞いて覚える
- 下の句は活字で覚えず、競技かるた用の取り札を見て覚える
上の句の音声と下の句の取り札は競技かるた用のものを使ってください。読み方は競技かるた用と観賞用で異なります。また、取り札の字面も競技かるた用とは異なるものがあります。以下の記事を参照してください。
この音と字面の関連を強化する訓練として、札流し(札落とし)と言う練習方法があります。札を次々めくっていき、決まり字を読み上げる練習です。上級者は1分で全て読み上げます。先に挙げたアプリにも練習用の札流し(札落とし)モードがあります。
一つ面白い話があります。競技かるたの経験者は、取り札を見て下の句の字を読み上げようとすると、まごつきます。
は「からくれないにみずくくるとは」ではなく、つい「ちは」と読んでしまうからです。
を見たら「ちは」としか読めないくらいまで練習しましょう。
各札の決まり字や具体的な覚え方は、下記の記事で紹介している書籍、アプリ、ウェブコンテンツを参照してください。
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