親として知っておきたい「ちはやふる」のウソ・ホント7つ(前編)
マンガ「ちはやふる」は競技かるたの実情をよく描いています。「ちはやふる」の担当編集者が競技かるた経験者だからでしょう。また、その担当編集者の弟さんも競技かるた経験者で、弟さんの奥さん、つまり、担当編集者の義理の妹が坪田翼クイーンです(コミックナタリー、福井新聞)。
「ちはやふる」 は競技かるたの世界を知るのにはうってつけのマンガです。ぜひ、一読されることをお勧めします。連載されたマンガ雑誌BE・LOVEは小学生向けの雑誌ではありませんが、マンガ「ちはやふるは」は、小学生でも楽しめる内容です。お子さんと一緒にお楽しみください。
しかし、どこまでが実際にある話なのか、どこまでがマンガ上の演出か分からないかもしれません。ここでは、マンガ「ちはやふる」に出てくるエピソード、セリフが実際にある話なのか、マンガ上の演出なのかを解説していきます。
1.試合で息が上がったり汗をかいたいりする
試合で息が上がったり汗をかいたいりするシーンは「ちはやふる」ではよく登場します。よくあるマンガのオーバーな表現かと思いきや、実際に試合で息が上がったり汗をかいたいりします。場合によっては脱水症状を起こします。腕だけで取るのではなく、取った勢いで立ち上がるくらいの体の動きが要求されるからです。それを1試合で100回近く繰り返します。これが、競技かるたがスポーツだと言われる由縁です。
2.札が襖に刺さる
マンガ版一巻第一首で、新の自宅で新と千早がかるたを取る時に、新が飛ばした札が襖に刺さるシーンがあります。こちらもオーバーな表現かと思いきや、実際にある話です。名人戦、クイーン戦が行われる近江勧学館 浦安間の襖には、飛んだ札が刺さってできた穴が空いています。また、楠木早紀永世クイーンの著書でも、自宅の襖に穴をあけた話がでてきます(瞬間の記憶力 (PHP新書))。札を取る手にはこのくらいの勢いがあるので、指、手に怪我をすることもあります。
近江勧学館2階「浦安」。
— 近江勧学館 (@oumikangakukan) June 10, 2016
障子がところどころ張り替えられています。主にかるたを取る時に、飛んだかるた札が刺さったところの傷で、傷穴が大きくなったところだけを張り替えてます。 pic.twitter.com/15WpZbswki
3.音になる前の音
千早の「感じ」の良さを表すのに「音になる前の音」という表現がたびたび出てきます。ファンタジーのような話ですが、実際、子音単位で聞き分けるということは普通にあります。また、次の音が、発音される前に分かるということもあります。音声というのは一文字ごとにブロックのように独立したものではなく、次に来る音よって前の音が変わってくるからです。こういった音の聞き分けは、練習を重ねていくうちに身に付けることができます。
4.取り札が「ちはや」に見える
これも、新の自宅で新と千早がかるた取る時に、新が言ったセリフです。「ちはやふる」の取り札が「ちはや」に見えるという話ですが、これもホントです。正確には「「ちは」に見える」ですが。競技かるた経験者は取り札を決まり字で読んでしまいまうからです。詳細は下記をお読みください。
後編はこちらです。 karuta.hatenablog.jp
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