幼児期に百人一首を１００首覚える３つのステップ
小学校に上がる前に百人一首を１００首覚える３つのステップをご紹介します。
百人一首を １００首覚えるにはモチベーションが重要となってきます。しかし、幼児に歌の意味を理解させることで百人一首の魅力を伝えることは不可能と言って良いでしょう。その代り「音としての百人一首」、「ゲームとしての百人一首」をモチベーションとしていきます。
ステップ１．下地を作る ― ３歳までに絵本の読み聞かせ１万冊
和歌はなんだかんだいって言葉の音を楽しむ世界です。音としての日本語の下地を作るために、３歳（４歳の誕生日）までに絵本の読み聞かせを延べ１万冊分しましょう。
１万冊分というと大変と思うかもしれませんが、延べ回数なので、同じ本を３回読めば３冊分とカウントしてもかまいません。１日１０冊分読めば、３年で終わります。１冊あたりは１、２分で終わるので、１日１０～２０分絵本の時間をさけばよいのです。一度に１０分、２０分を絵本の時間にすると子供もあきるので、隙間時間に２，３冊分読んでいきましょう。大人もまとまった時間を確保する必要がありません。
もちろん百人一首に関する本である必要はありません。普通の絵本で構いません。
ステップ２．モチベーションを上げる ― アニメ「ちはやふる」
年長さんくらいになったら、アニメ「ちはやふる」を利用して、かるた、ゲームとしての百人一首の魅力を子供に伝えましょう。
アニメ「ちはやふる」の原作が連載されている漫画雑誌「BE・LOVE」は大人の女性向けの雑誌で、子供向けではありません。しかし、アニメ、原作共に子供でも楽しめ、子供に見せられないシーンもありません。また、幼少期の主人公たちのシーンも登場するので、小さい子供でも感情移入しやすいです。マンガでも良いのですが、幼児にはアニメが見やすいのでお勧めです。
ステップ３．楽しみながら覚える ― 親子でかるた遊び
さて、１万冊も読み聞かせをすると、子供は自然とひらがなを覚えてしまう上に、文章を読んでも苦にならなくなります。ひらがなで書かれている百人一首の取り札は自然と読めるようになってきます。そこで、お父さん、お母さんも一緒に百人一首かるたで遊びましょう。 子供向けの百人一首や競技かるたの本を買っていおくと、子供は親に負けまいと、本を利用して自然と１００首覚えてしまいます。
歌の意味を理解する必要はあるか？
百人一首が描いている心情を子供に理解させるのことは難しいです。幼児はもちろんのこと、小中校生でも歌の魅力を完全に理解することは難しいと思います。高校生でさえ十分でないかもしれません。それは、百人一首が古典だからではありません。
百人一首の歌の多くは、大人の恋愛や社会的敗者の嘆きが描かれているからです。また、情景を歌った歌でも、様々な情景を見てきた経験がなければ想像しにくく、面白くありません。 経験を積んだ大人だからこそ、面白く感じることができるのです。
もちろん、子供向けに百人一首を分かりやすく説明した本はあります。しかし、子供に分かりやするくために、どうしても 、例えや比喩的な要素が入ってきてしまい、歌の本当の意味や魅力を伝わりずらくなっています。例えるならば、大人向けの恋愛ドラマを、子供向けに分かりやすくかつ面白味を損なわず解説しようとしているようなものです。
一方で、和歌の音としての言葉の美しさと面白さは、年齢を問わず味わうことができます。よってここでは意味の理解に重点をおかず、「音としての百人一首」、「ゲームとしての百人一首」が子供に伝わるようなステップを紹介しました。
小倉百人一首の歌の意味は、人生経験を積んだお父さん、お母さんが、今こそ、観賞すべきものなのかもしれません。
