お父さん、お母さんのための競技かるた入門

お父さん、お母さんのための競技かるた入門

映画、アニメ、マンガの「ちはやふる」を見て、「私も百人一首を習いたい」、「かるたの大会に出たい」と思い始めた小学生や中学生のお子さんをお持ちのお父さん、お母さん向けに、競技かるたの世界を紹介します。

競技かるたの試合で静かにしなくてはいけないのはいつか?

まとめ

  1. 審判や選手が手を上げている時は音をたてても良い。
  2. 心の中で3つ数えて、読手(どくしゅ)が歌を読み始めなければば、音をたてても良い。
  3. 上記の以外は静かにする、動かない。

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ビニール袋がこすれる音さえ邪魔

競技かるたにおいては音というものが大変重要な要素になります。雑音は大敵です。おしゃべりや携帯・スマフォの呼び出し音はもちろんですが、意外に試合の妨げになる音は下記のようなものです。

  • 足音
  • 鼻をすする音
  • ドアの開閉音
  • 携帯・スマフォのバイブ音
  • 紙をめくる音
  • ビニール袋がこすれる音
  • カメラのシャッター音やピントがあった時になる電子音

基本、静かにする=動いてはいけないと思ってください。

なお、試合の冒頭に15分に札の配置を覚える「暗記時間」というものがありますが、この時間も選手が集中するために静かにしなくてはいけない時間とされています。大きな声でのおしゃべりはやめましょう。

静かにしなくてはいけないタイミングは分かりにくい

上記のようにかるたの試合にとっては雑音は大敵なので、かるた会や試合へ行くと「歌が読まれている間は静かにして下さい」と言われると思います。

ところが、「読まれているのに多くの選手が音を立てていた」とか、逆に「読まれていない時に写真を撮ったのに、シャッター音で気が散ると読手や選手ににらまれた」という経験はないでしょうか。

本当はいつ静かにしていなくてはいけないのでしょうか。

一度でも選手として競技かるたを行うと、いつ静かにしなくてはいけないか分かります。しかし、経験がない方からすると分かりにくいので、ここでは競技かるたで静かにしていなくてはいけないタイミングを解説します。

実は「下の句」→「上の句」→ 「取り」

まず、歌を読まれる順番は、

「上の句(読み札)」→「下の句(取り札)」→「札を取る」

と思っていませんか? 実は、違うのです。競技かるたでは下記の順番です。

「(前の)下の句」→「(次の)上の句」→「札を取る」

競技かるたでは、上の句が読まれている間に取りが終わるというのが前提です。下の句が読まれると、1秒間おいて連続して次の上の句が読まれます。ですから、選手たちは下の句が読まれ始めると、次の札を取る体勢を整えます。

下の句は「よ~い、どん!」の「よ~い」

つまり、下の句は次の上の句を読まれ始めるタイミングを示すために読まれているのです。かけっこで言えば下の句は「よ~い、どん!」の「よ~い」にあたり、次の上の句が読まれ始めることで「どん!」となります。

下の句が読まれている間は、札が取られることはありませんが、「よ~い」に当たり、選手が集中しています。特に下の句の後半に音を出されると、集中の妨げになります。下の句が読まれ始めたら静かにしましょう。

また、よくある間違いとして、下の句が読まれ終わった直後の1秒間のインターバルでカメラのシャッターを押す方がいらっしゃいます。この1秒の空白は確かに読まれてはいない時間なのですが、「よ~い」と「どん!」の間にあたるので、そこで雑音を出すとどうなるか想像に難くないと思います。

下の句の読まれ始めてから、上の句の読み終わるまで音を立ててはいけない

よって、

「下の句の読み始めたら動かない、音を立てない、上の句の決まり字が読まれてしばらくしたら動いても良い」

ということになります。「決まり字」とは下の句が特定できる上の句の初めの字のことです。図にすると下記の通りです。

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ただし、「上の句の決まり字が読まれてしばらくしたら動いても良い」というところは、競技者でないと判断することは難しいところです。「上の句の読み終わるまで音を立ててはいけない」と思っていたほうが無難です。

もっと分かり易いのは、、、

そもそも、何が上の句、何が下の句か分からないかもしれません。最も簡単な見分け方は、以下の二点です。

1.審判や選手が手を上げている時は音をたてても良い

下記の写真のように、審判や選手が手を挙げている時は、「今は、歌を読まないでください」というサインなので歌が読まれることはありません。観客の方は手を挙げないでくださいね。 f:id:mamo3:20160407064832j:plain

2. 心の中で3つ数えて、読手が歌を読み始めなければば、音をたてても良い

上の句が読み終わった直後は音を立ててよいのですが、下の句が読まれた時は音を立ててはいけません。下の句が読まれたら1秒の空白をおいて、すぐに次の上の句が読まれるからです。

読まれているのが上の句か下の句か分からない場合は、読手が何も読んでいない時に、心の中で3つ数えて待ってみてください。3つ数えるうちに、読手が次の句を読まなかったら、上の句が読み終わったところだと考えることができ、音を立ててもかまいません。本当は1秒待てばよいのですが、正確には測れないと思うので、心の中で3つ数えて下さい。

この二つだけは覚えておいて下さい。後の時間は静かにしていましょう。

まとめ

  1. 審判や選手が手を上げている時は音をたてても良い。
  2. 心の中で3つ数えて、読手(どくしゅ)が歌を読み始めなければば、音をたてても良い。
  3. 上記の以外は静かにする、動かない。